ROSEの読書感想文

読んだ本とかWeb小説の感想を書くよー

キャラ文芸

後宮の薬師 平安なぞとき診療日記 (PHP文芸文庫)

平安時代が舞台のミステリ風お仕事小説。 主人公は異国の系譜の女性薬師で都の貴族の依頼ではるばる仕事に来ましたがなんやかんやで大きな仕事に引きずり込まれていきます。 主人公が薬師なので謎解き要素は「どんな病気か」「原因はなにか」というところに…

雨月先生は催眠術を使いたくない (角川文庫)

確実に続編を意識している作り……! ジャンルが凄く悩むキャラ文芸というところでしょうか。 主人公が倹約家で兄弟のたくさん居る女学生、先生が准教授というコンビですが主人公二人とも癖が強いです。 先生は他人の記憶を思い出させ、聞き出すことに特化した…

准教授・高槻彰良の推察9 境界に立つもの (角川文庫)

もう第九弾なの? と言いたくなるシリーズ第九弾。 番外編までしっかり読んだシリーズで毎回非常に楽しみなのですが、作者さんの映画愛や都市伝説愛のようなものを感じられる小ネタが多々含まれているのが非常に好きな作品です。 今巻は「鎌鼬」「髪切」「口…

怪異の掃除人・曽根崎慎司の事件ファイル 生ける炎は誰が身を喰らうか (宝島社文庫)

緩みを作りすぎて最早コメディという印象の一冊。 初手でクトゥルフっぽいなと感じたのですが、ほぼクトゥルフのキャンペーンシナリオで、リプレイ小説かな? なんて思いながら読んでいました。 全体的にクトゥルフ神話TRPGのルールブックをぺらぺらしていた…

地獄くらやみ花もなき 捌 冥がりの呪花、雨の夜語り (角川文庫)

コミカライズ原作小説の八作目。 表紙惚れで一巻目を購入してから絵師さん目当てでなんとなくずるずる続刊を購入していましたが正直もういいかなという感想でした。 図面が出てきたりミステリ風味なのですが、キャラクターが強すぎてキャラクター小説という…

探偵・花咲太郎は閃かない (メディアワークス文庫)

探偵ものというかロリコンものというか……。 主人公がロリコン全開で、それに纏わる言い回しが非常に豊かというか女子高生すらその扱いかという筋金入りで、所謂探偵ものを期待したら裏切られること間違いなしなコメディタッチの作品です。 よく名前を見る作…

ヘルハウンド2 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹 (メディアワークス文庫)

葬儀場は見合い会場じゃねーよ! と思わず叫びたくなるほど相変わらずの変態主人公なシリーズ二作目です。 続刊出てないので打ち切りなのかな? という印象でした。 今作はでコスプレイベントでの殺人事件をSNSを活用しつつ解決したり、新たな事件に繋がった…

ヘルハウンド 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹 (メディアワークス文庫)

変態だーっ!! 今作の主人公は間違いなく変態です。 遺体の写真を見て「恋人」などと表現し、興奮するタイプの変態です。 が、プロファイラーなのです。 捜査中にこんなことをしていると遺族にバレれば間違いなく訴えられるであろう主人公は民間人のプロフ…

神様の用心棒~うさぎは星夜に涼む~ (マイナビ出版ファン文庫)

函館が舞台のシリーズ五作目ですね。 元々表紙を書いている絵師さん目当てで購入したシリーズですが、今回も表紙が美しいですね。 新撰組はあまり興味がないのですが、函館は馴染みある地なのでだらだら読み続けているシリーズなのです。 が、この作品ってゴ…

反時計回りのシャーロック (小学館文庫キャラブン!)

高校生二人がタイムスリップ(?)して若かりしシャーロック・ホームズ(実在の人物と言うことになっている)に遭遇するお話です。 本当にライトな作りで対象年齢は中学生くらいかな? という印象を持ちましたが、テキスト自体はとても読みやすい文章でした。…

転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う (角川文庫)

愛が重すぎる主人公の中華風ファンタジー? でしょうか。 この作者さんの作品はかなり前に何作か読んだことがあったのでやや期待値が高かったのですが、今作はちょっと合わなかったかなとい印象です。 今作は異世界ではなく同じ世界の未来に転生し、愛する人…

殺人鬼探偵の捏造美学 (講談社タイガ)

真相を【捏造】する探偵。 とんでもない探偵だな。と思うのですが【殺人鬼】探偵なんですよね。 本編の主人公は新米刑事の女性なのですが、物語自体の主人公はこの殺人鬼の方といってもいいでしょう。 この作品は【連続殺人鬼】が【探偵】という珍しい構造を…

怪異探偵の喰加味さんは悪意しか食べない (富士見L文庫)

巻き込まれ型助手と変人探偵の組み合わせのファンタジー系作品です。 タイトルに「探偵」がついていますが「怪異」「探偵」なので所謂ミステリとは別物で、ファンタジー探偵というところでしょうか。 騙されやすい主人公(人間)と人外探偵という組み合わせ…

心中探偵 蜜約または闇夜の解釈 (幻冬舎文庫)

タイトルインパクトがあり、期待値が高すぎたかなというような一冊でした。 主人公が心中したはずの相手だけ死んでしまい、自分が心中した相手は死んだ女性ではなかったというところから始まる奇妙な話ではあるのですが……。 主人公がクズ過ぎてこいついっそ…

終わらない男 ~警視庁特殊能力係~ (集英社オレンジ文庫)

ついに最終巻です。 作者さんの20周年だったそうです。 BLも書いている(というかそっちがメイン?)の作者さんということもあり、それっぽい雰囲気の描写も所々あるので苦手な人は苦手かもしれません。 最終巻なだけあってオールスター作品というか、無理矢…

憎まれない男 ~警視庁特殊能力係~ (集英社オレンジ文庫)

購入後数ヶ月積みっぱなしだったシリーズ第八巻です。 もうこんなにシリーズ続いてるのか。もうやることないだろうにってくらい、主人公の能力が活かされる場面が限られているように感じていましたが、熱血系な主人公にかなり好感が持てます。 先に書いてお…

難民探偵 (講談社文庫)

タイトルに探偵って入っているけれどミステリと言うよりはキャラクター小説という印象です。 この作家さん実は初なのですが、登場人物に変な名前をつけるのが好きみたいですね。 まず序章がやたらと長い。序章だけで40ページほどあるのですが、殆どが就職活…

作家刑事毒島 (幻冬舎文庫)

ミステリと呼ぶよりはキャラクター小説という印象になってしまう程、毒島さんのインパクト強すぎる作品です。 正直物書きにはグサグサぶっさり突き刺さる最早暴言と言ってしまいたくもなるような言葉の凶器が何度飛んできます。 最初に出てきた下読みのコメ…

死神ラスカは謎を解く (マイナビ出版ファン文庫)

カラスが好きなので表紙買いしてしまった一冊です。 カラスと会話する導入。それだけでときめきました。 主人公は刑事です。殺人などの凶悪犯罪を担当する刑事なのに好物がクリームパン。趣味は料理。 なんというか、ギャップがかわいいと感じさせるタイプで…

天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)

ずっと気になっていた作家さんで、こちらの作品が初になります。 作家さん本人のtweetばかりよく見かけるのに作風を全く知らなかったという。 読んでみた一番の感想は、ミステリというよりはキャラクター小説というところでしょうか。 作者さんが医者という…

AI法廷のハッカー弁護士

裁判官もAIになる時代がそのうちくるかもしれませんね。 読書メーターで知って購入した作品なのですが、普段は自分で買わないSFミステリといったところでしょうか。 カテゴリがとても悩んだのですが、キャラクター性がとても強かったと思うのでキャラ文芸カ…

CEO生駒永久の「検索してはいけない」ネット怪異譚 ~IT社長はデータで怪異の謎を解く~ (メディアワークス文庫)

ホラーを期待すると微妙だった一冊としか形容できない作品です。 ネット怪談を題材としており、有名どころばかり使われています。本当にネット怪談をさらっとしか触れていない人が題材に選んだのかな? という印象です。 タイトルから科学特化のスーパーナチ…

犯罪社会学者・椥辻霖雨の憂鬱2 十年の孤独 (メディアワークス文庫)

前作を読んだのがだいぶ前になってしまうのですが、一応シリーズ物の二巻目になります。 主人公は犯罪社会学者という少し変わった人物で、非常に理屈っぽいというか蘊蓄をやたらと語りたがる傾向にある男性です。 歳の離れたはとこと探偵とその助手のような…

自殺判定士 曽根崎都弦の自殺衝動 (富士見L文庫)

自殺素人なんて表現初めて見たわ。という作品です。 この作品は非常にジャンルが悩ましいところでして、当ブログのカテゴリ分けではキャラ文芸としました。 ミステリと呼ぶには少しオカルト的な印象で、なにより曽根崎のインパクトがとても強いのでキャラク…

EAT 悪魔捜査顧問ティモシー・デイモン (富士見L文庫)

この作者さんはきっと「スーパーナチュラル」とか好きなはず。 真っ先に抱いた感想はそれでした。 タイトルの印象から「クリミナル・マインド」的な雰囲気を期待しつつ推理物かな? と思っていたのですが、わりとがっつり怪物が出てくる系の作品でした。 主…

宮廷書庫長の御意見帳 (富士見L文庫)

カテゴリが少し迷いましたがキャラ文芸に入れました。 一応、お仕事小説、という分類になるのでしょうか? 立場が逆転したような上司と部下のやりとりが楽しい作品です。 書マニアな上司(主人公)と有能すぎる部下(めっちゃ強い)で、上司の方が部下に頭が…

それは、自殺五分前からのパワープレー(リンダブックス)

裏カジノを標的にした大胆な計画。 海外ドラマのような勢いとインパクトのある作品です。 集団自殺の為に集まった五人の前に、一人の女性が現れ、人生を逆転させる計画に協力しろと持ちかける。 どうせ死ぬつもりなら、死ぬ前に大胆なことをやってみよう。 …

水上博物館アケローンの夜 嘆きの川の渡し守(幻冬舎文庫)

悩みを抱えた大学生の主人公が閉館間近の博物館で過ごしていると、不思議なことが起こった。 水が満ちて舟で移動するような博物館。想像するだけでロマンの塊ですね。もちろん、実際にそんなことが起きては展示物達にとんでもない損傷を与えそうですが。 タ…