転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う (角川文庫)
愛が重すぎる主人公の中華風ファンタジー? でしょうか。
この作者さんの作品はかなり前に何作か読んだことがあったのでやや期待値が高かったのですが、今作はちょっと合わなかったかなとい印象です。
が、
かんじよめない。
ルビ振ってくれる場所少なくない? あんま普段使わない漢字多いよ……。
と言いたくなってしまうほど漢字が読めない。特殊な読み方する部分は毎回ルビ振ってくれてもいいと思うの。章が切り替わるタイミングだけでもここルビ下さいと感じてしまいました。
武人系女性主人公は大好物なのですが、主人公が前世に拘りすぎているというか「前世で護れなかった愛する人を護りたい」という動機だけで動いていて「現世」を見ていない印象なんですよね。そのせいで黒幕に利用されていたり黒幕に気がつくのが遅れてしまったりするのですが、人の縁が見えるという特殊能力も意識していないと見えないので重要な情報の取りこぼしがあります。
愚者を演じている皇帝に呆れつつ、彼の魂は愛する人だからと奮闘する主人公を延々と見ていて疲れる。というのが正直な感想で、折角面白い能力を持っているのに前世前世で疲れてしまうのが勿体ないなと思いました。
あと主人公、おおっぴらに前世の記憶持ちだと言い過ぎですね。
皇帝の暗殺未遂事件が何度もあるのですが、前世前世言い過ぎている主人公に好感が持てず緊張感が持てませんでした。真相や黒幕が語られたところで「ふーん。で?」みたいな感情しか湧かず、舞台設定は嫌いではないはずなのにイマイチ「的外れ」という印象になってしまいました。
愛が重く盲目過ぎた主人公といったところでしょうか。
別の作品が面白かったという印象があるだけに今回は残念でした。というような一冊でした。