ROSEの読書感想文

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女王の化粧師 (ビーズログ文庫)

 だいぶ前にコミカライズ版を一話だけ読んだことがあったような気がする作品です。
 
 最初に言っておく。
 せめてナンバリングしてくれ。
 序盤の序盤くらいで終わった印象しかない。
 
 召喚で所謂メイクアップアーティストとして働いていた主人公が貴族(?)にスカウトされ女王候補の専属メイクアップアーティストになる。という流れなのですが、本当にそんな感じの部分で終わってしまうと言うか……主人公の仕事は始まったばかり。まだ顧客(女王候補のわがままお嬢様)の要望すらきちんと聞けていない状況ってところで話が終わってしまい本当にこれは商業作品なのかと呆れてしまいました。
 句切るにしても中途半端すぎるし、せめてナンバリングして欲しいところです。
 ビーズログのレーベルも結構微妙なんですよね。一冊完結してくれる作品もごく稀にあるけれど、大抵ナンバリングなしで何巻も続く印象です。が、その中でもここまで中途半端に終わったナンバリングなし作品は他に遭遇したことがなかった気がします。
 キャラクターとしてはお嬢様にも主人公にもそこそこ好感が持てるし、主人公の仕事に対する姿勢や語る内容に対してもよいとは感じるのですが、このナンバリングなしで中途半端すぎる終わり方をしてしまうせいで星評価としては1か2という印象になってしまうんです。勿体ない。
 せめてナンバリングがあれば星3くらいです。
 一冊で楽しめる程纏まっていれば文句なしに星5つけたと思う程度には序盤で惹き込まれた作品なので非常に惜しいと思いました。
 というのも題材がメイクというのがいいです。「メイクアップスター」などの番組が好きな人はまず楽しめる主人公の仕事だと思います。
 そして主人公がモデルに対して対話しつつ仕事をしていくという徹底したプロ意識が表現されている部分がまさに「お仕事小説」という印象です。
 
 え? 恋愛レーベルだよね? レーベル間違ってない?
 
 テキスト自体も非常に読みやすい作品でした。
 ナンバリングなしの唐突な終わりがただただ残念だったので、2、3巻分纏めて一冊になっていればまた印象が変わったのではないかと思いました。