ROSEの読書感想文

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ヘルハウンド 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹 (メディアワークス文庫)

 
 変態だーっ!!
 
 今作の主人公は間違いなく変態です。
 遺体の写真を見て「恋人」などと表現し、興奮するタイプの変態です。
 が、プロファイラーなのです。
 捜査中にこんなことをしていると遺族にバレれば間違いなく訴えられるであろう主人公は民間人のプロファイラーで「特権法」という法律により、無給で捜査協力するというわりととんでもない設定なのですが……いや、そこは給料発生させないと無責任になるんじゃない? と心配になります。
 
 主にプロファイラーが取調室で被疑者とやりとりをして自供させ事件を解決するスタイルではあるのですが、全体的にコメディ色が強い作品になります。
 特に主人公の弟子、ヒロイン枠の合法ロリみたいな外見のプロファイラーはバイト掛け持ち&公園でカエルを捕獲し調理などキャラが濃すぎる上に過去もがっつりダークなてんこもりキャラになっています。
 
 今作で一番見所かなと思ったのは二章で詐欺師と主人公がやり合うシーンなのですが、詐欺師もプロファイリングや心理学のテクニックを知り尽くしているケースは結構あるので本当にプロファイラーにとってはやりにくい相手なんだろうなと思う一方で主人公、これは相当悪いことやってきてる人だなと。
 脅迫慣れしている変態。野放しにしては危険だ。
 おそらく今まで読んできた作品の中でもトップクラスの変態主人公だったのではないかと思います。
 そして、主人公の幼馴染みの副検事も金持ちぼんぼんでどこかとろい印象なのですが、はっきり裏があるキャラクターなのは好みでした。
 
 ミステリとしては正直魅力は感じないのですが、キャラクターがそれぞれはっきりしており、キャラクター小説としては楽しめた作品です。
 丁度続刊もセットで購入していたので早めに読んでいきたいと思います。