元魔王の転生令嬢は世界征服よりも恋がしたい (角川ビーンズ文庫)
主人公は人間世界の恋愛小説が大好きな元魔王である日貴族の娘だと知り貴族の通う学園に通うことになるというよくある悪役令嬢テンプレ名乙女ゲームヒロインのような境遇に生まれ変わったチート魔力持ちです。(だって元魔王だもん)
まず魔王が人間の世界の恋愛小説に夢中になりすぎ、ひとつの作品を読み込みまくって妄想に耽っているというキャラクターが濃いです。そして、転生後に聖地巡礼をし、友人と好きな作品語りをしたいなどと言い出す、普通にオタク女子なところがまた濃い。
推したいキャラはファビアーノさんです。彼は真面目なのにどこかズレているような印象で、口は悪いのに親切だったり推したいポイントが多いキャラですね。
ロザモンドもキュンキャラでした。努力家なのに空回りしちゃってる子かわいいですね。
逆にヒーローがあまり好きになれないタイプのキャラで読み進めて居る間も苦手意識がありました。
主人公が鈍すぎるのも気になったポイントです。これが男性向けラブコメなら「難聴主人公」などと言われているタイプでしょうか。
チートじゃないはずなのに元魔王のせいで性能魔王仕様というのは本人も苦労しているポイントでしょうがそんな能力があるのであれば全て主人公一人で解決出来てしまったのではないかと考えてしまいました。
魔王時代に戦争していた割にはなんだかゆるすぎる空気も気になり、過去エピソードや事件関係はシリアスなはずなのに全くシリアス度を感じなかったのもやや気になりました。
まあ、少女向けラノベ(ジャンル特徴)はこんなもんと言われれば納得します。
主役二人より脇役の方が魅力的だったかなと感じた一冊でした。