ROSEの読書感想文

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異世界居酒屋さわこさん細腕繁盛記(アルファポリス)

 ほのぼの居酒屋経営(?)なファンタジー
 
 父親から継いだ居酒屋を畳んでしまった主人公が引っ越したら引っ越し先に別の人が住んでいて行き場がなくなったところ異世界人に拾われるところからスタートするほのぼの居酒屋経営物語です。
 
 異世界の酒、旨くない。異世界の料理、旨くない。
 どうも恩人の異世界人には日本の料理が口に合うらしい。
 持ち込んだ酒も好評。
 そんな感じで居酒屋を始める主人公です。
 
 全体的に主人公の一人称視点で彼女の主観のみで進んでいくスタイルなので、人によってはライトすぎて逆に読みにくいと感じるケースもありそうですが、視点ブレがないので読みやすかったと思います。
 主人公がお人好しという次元で済まないレベルの見ていて心配になってしまうタイプではありましたが、あの性格が余計にほのぼのさせていてのんびりとしたこの作品とマッチしていたなと思います。
 
 とにかく料理がたくさん出てきておいしそう。
 そして異世界の人たちがおいしそうに料理を食べるのがいいですね。
 他人の食事風景を見るのが好きというやや危険な癖を持っている人間として、こんなにおいしそうに食べてくれる登場人物達は最高ですよ。
 
 お酒やお米、ジビエなど、主人公が拘るべきポイントも明確で、得意料理「肉じゃが」は媚びてるなんて言われることもありますが、米が旨い店は大抵の料理が旨いんじゃー! と常日頃叫んでいる人間としてはお米に拘る主人公の料理が好評という流れに非常に説得力があるのではないかと思いました。
 
 嫌がらせもスルーする主人公、全体的にほっこりした異世界人。
 気負わずさっくっと読めるのがまた癒やし系作品として手軽でよいなと思いました。
 出てくる料理がおいしそう。
 読んでいてお腹が空いてしまうのが唯一の欠点と感じる程度には楽しんだ作品です。
 
 ほっこりほのぼのした作品なのですが、残念ながら続刊はないようです。