ROSEの読書感想文

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おれの料理が異世界を救う! 〜エルフの奴隷になんてなりません〜 (MF文庫J)

 よくある異世界召喚系ファンタジー+料理な作品。
 
 テキスト的にはそこそこ楽しめたかなと思うのですが、挿絵が少年漫画のお色気シーンみたいなエロ系ウリなのかな? という印象で、料理題材なのにマッチしてないなと感じ、挿絵で損しているのではないかなと思いました。
 
 料理バトル+お色気挿絵で『食戟のソーマ』みたいだなと感じてしまったのが一番残念ポイントですかね。
 父親にスパルタ教育で料理を叩き込まれた主人公が異世界で料理バトルをするのですが、料理知識が乏しい魔法のある世界で、魔法知識のない主人公が科学的に料理して戦う料理バトルなんですね。
 戦争のない世界、暴力はないけれど差別やいじめはあって、食材がなにもないところで甘味を作れとか、朝食で焼くパンの生地を盗まれるとか他の作品だと結構地味な、スケールの小さい事件が深刻な事件になるのが特徴的と言えば特徴的なのかなと思います。
 
 最近はライトノベルに対して最後まで読めればそこそこ楽しめた作品という認識をしていまして、開いたその日に最後まで読めたので結構楽しめた作品ではないかなと思います。挿絵で減点とは思いますが、料理ができない異世界人に科学的にどうしてそうなるのかを解説しつつ料理バトルをするというのが本当に料理は科学だ! という感じがして好きなポイントでした。
 ただ、ストーリーやキャラクターがあるあるを詰め合わせすぎた感じがしてあまり印象に残っていません。読み終わった直後でも印象に残っていないくらいテンプレだったかな?
 肝心な料理の方もあまり印象に残っていないのが残念です。
 ステーキと柑橘ポテトサラダが出てきた気がするけれど、特にレシピなども掲載されていないのが児童書との差ですかね。
 お料理系の児童書はだいたい作って見ようコーナーがあるような気がします。
 折角お料理系ラノベなのだから巻末にレシピ載せればいいのになと思う作品は度々ありますが、作中で素人キャラが作れた料理くらいは載せてもいいのではと思いました。再現すると異世界人の味覚がなんとなく理解出来ると思います。
 
 それにしても、食品の名前を部分的に異世界単語に入れ替えているわりに度々「○○っぽい野菜」などの表現になるので、だったら最初から入れ替えなければいいのになと思ってしまうのはジャガイモ論争に疲れたせいでしょうかね?
 
 他の作品にまで手が伸びるかというと微妙ラインです。