悪役令嬢はお断りします! ~二度目の人生なので、好きにさせてもらいます~ (ベリーズファンタジー)

　ラノベセットの中の一冊でした。

　主人公の前世がわりと洒落にならないながらもリアリティがあった以外は突っ込みどころが多すぎた作品です。

　まず、作品舞台の乙女ゲーム設定ですが……斬新すぎる。

　ヒロインが札束ビンタするタイプの乙女ゲーム……。実在するならプレイしてみたいですね。

　主人公（転生者・悪役令嬢）の前世はカフェ経営が夢で親友と共に貯金していた……のに親友に裏切られ開店資金を持ち逃げされた直後にひったくりに遭って死亡というわりと洒落にならない不幸なのですが……開店資金を親友名義の口座で貯めるなんてどんなに信頼していてもやってはいけないことです。しかし、こういうパターン身の回りでも耳にしたことがあるから恐ろしい……。

　はい。これ以外のポイントはほぼ全て突っ込みたいです。

　まず、婚約者が居る主人公が特に険悪な仲でもないのに別のヒーローと恋愛って……というのが単純に苦手ポイントでした。ここは好みの問題なのでよいとして……。

　メイドさんに囲まれるような貴族令嬢の主人公が異世界でメイド喫茶ってなんですか？　自分のカフェが夢だったというのはまあ、理解は出来ますが、メイド喫茶？？？

　メイド服云々の服の描写には拘りを感じるのですが、この異世界におけるメイドの服との差別化だとか、そう言った部分で名称の変更しないの？　だとか異世界人受け入れすぎだとか気になる点がたくさん。

　単なるロリータファッションでは？　と疑問を抱きました。

　なにより、挿絵が描写と合っていない……服や髪型の描写が合っていないんです……。

　残念ポイントです。

　主人公と友人になる悪役令嬢（こちらも転生者）の婚約者は殆ど出番がないのに残念王子……こいつに一体なにがあってあの惨状になったのか……そしてその後をもう少し語っておいてほしい程、インパクトの薄い登場から影の薄すぎるあっさり退場……。

　むしろ彼、登場する必要ありました？

　ヒロイン成り代わりしようとしたご令嬢の方がやることえげつなくて好感度爆上がりなんですけど……。

　あれだけ手の込んだ悪事が出来たご令嬢が最後にしでかす事件があの程度というのも違和感がありすぎて……もう少しド派手なことが出来そうな子だっただけに残念でした。

　全体的にモヤモヤが残ってしまう一冊でした。