ROSEの読書感想文

読んだ本とかWeb小説の感想を書くよー

ヒューマンドラマ

ジャッジメント (双葉文庫)

被害者遺族が加害者に復讐できる復讐法が生まれた世界で倫理観が試される作品です。 加害者も所謂少年法の範囲に含まれてしまう人間だったり無敵の人だったり実の親だったりするのですが、被害者遺族も被害者の血縁者だったり婚約者だったり様々な立場で、加…

死にたいあなたに男子大学生がお肉をごちそうしてくれるだけのお話 (角川文庫)

タイトルが既にネタバレしてるだろこれ スカッとメシウマとか帯に書かれてるけどね? これ、普通にホラーですよ??? テキスト的にはライト文芸寄りかなという印象なのですが、やってることはがっつりホラーです。 今回はタイトルで予測出来るとは思います…

教室が、ひとりになるまで (角川文庫)

TRPGで言うところの秘匿能力PvPシナリオみたいな一冊。 特殊能力があることを前提としたミステリと見せかけてがっつり道徳倫理観に訴えかけてくるヘヴィなヒューマンドラマですね。 思春期特有の空気を漂わせスクールカーストや同調圧力などがテーマのひとつ…

サーチライトと誘蛾灯 (創元推理文庫)

虫嫌いでも楽しめた昆虫ミステリ(?) 昔から本当に虫が苦手なのですが、今作はとにかくたくさん虫が登場する作品です。 探偵役が虫取り少年がそのまま大人になったような昆虫マニアで、夜の公園にカブトムシ捕獲に行ったらテントを張ろうとしているホーム…

贋物霊媒師2 彷徨う魂を求めて (PHP文芸文庫)

前巻よりハートフルな印象のシリーズ二巻目です。 霊媒師(人間)と助手(幽体)というユニークな探偵助手関係だったところに新たな助手(人間)が加わった今巻ですが前巻よりも真面目に仕事をしている気がしました。 ほぼ詐欺師のような口先で言いくるめる…

あなたのゼイ肉、落とします (双葉文庫)

ダイエット小説、なのですが所謂「こうやったらやせる!」的なものではなく、ストレスとの向き合い方を重視したヒューマンドラマと言った印象の一冊です。 章ごとに別の主人公視点で語られる本作の主人公に共通しているのは「太って」いて「太った姿を醜い」…

爆弾(講談社)

以前「白い衝動」がなかなか衝撃を受けた作家さんだったのでかなり期待していました。 正直冒頭はあんまりかなーと思ったのですが、中盤からが素晴らしいですね。 相変わらず倫理観、道徳観を問いかけてくるような作品だったのでこの作者さんの作風なのかな…

殊能将之 未発表短篇集 (講談社文庫)

ハサミ男で惚れ込んだ作者さんの未発表短編集ということで読んでしまうのが勿体ないような気がしながらもあっという間に読み終わってしまった一冊でした。 三つの短編と、ハサミ男受賞後の作者さんの日記で構成された作品ですが、やはり印象的なのは最初の「…

公開処刑人 森のくまさん (宝島社文庫)

ミステリとしては登場人物が揃った時点で犯人が予測出来てしまう気がしますが、ヒューマンドラマとしては描写が細かいなと思わせる作品でした。 タイトルに「公開処刑人」とついているように「処刑」シーンがあるため、グロ耐性が低い人にはおすすめできない…

腹を割ったら血が出るだけさ(双葉社)

タイトルインパクトが凄すぎて発売直後に購入したのにやっと読み終わった一冊です。 以前別作品を読んだ際に会話のテンポとタイトルセンスの良い作者さんだなと思ったのですが、今作も会話のテンポが非常によかったと思います。 が、今作は複数の登場人物の…

終わらない男 ~警視庁特殊能力係~ (集英社オレンジ文庫)

ついに最終巻です。 作者さんの20周年だったそうです。 BLも書いている(というかそっちがメイン?)の作者さんということもあり、それっぽい雰囲気の描写も所々あるので苦手な人は苦手かもしれません。 最終巻なだけあってオールスター作品というか、無理矢…

憎まれない男 ~警視庁特殊能力係~ (集英社オレンジ文庫)

購入後数ヶ月積みっぱなしだったシリーズ第八巻です。 もうこんなにシリーズ続いてるのか。もうやることないだろうにってくらい、主人公の能力が活かされる場面が限られているように感じていましたが、熱血系な主人公にかなり好感が持てます。 先に書いてお…

水曜日が消えた (講談社タイガ)

映画原作映画ノベライズです。 帯に一人七役と書かれていたのが気になってしまい、先に映画を観てしまいました。 全体的に映画と同じ展開ですが、ラストだけ少し違いました。 個人的には映画のラストの方が好きでしたが、こちらのラストも素敵でした。 とて…

文豪たちが書いた 泣ける名作短編集(彩図社)

教科書に載っているような文豪達の教科書に載っていたりいなかったりする作品を集めた短編集です。 有名作ばかりなので今更ネタバレもなにもないと思うので、特に印象の強い作品ふたつについて感想を書きます。 というか「泣ける」の方向性が所謂感動ものと…

こうして彼は屋上を燃やすことにした (ガガガ文庫)

ラノベセットに入っていた中の一冊です。 不思議なタイトルだなと思い手に取って見ると結月ゆかりのイラスト描いている方の表紙? と驚きました。 それはさておき感想です。 オズの魔法使いの引用が挿入され、登場人物もオズの魔法使いのキャラクター名で呼…

殺し屋ダディ (集英社オレンジ文庫)

出だしコメディだと思ったら、わりとヒーローっぽい作品でした。 今年読んだ中で初の当たりかなと思いました(他が……だったからかも) パパ二人子供ひとりな偽造生活ものなので、BLっぽい雰囲気が苦手な人は回避した方が無難かもしれませんが、所謂相棒もの…

流行りの詐欺にはご用心/雨宮羽音

流行りの詐欺にはご用心/雨宮羽音(カクヨム掲載作品) 先日酔っ払いスペースで読みながら感想を喋っていた作品です。 出だしのコメディ風の雰囲気が詐欺と言った作品でしょうか。 出だしの雰囲気だけ見るとコメディなんです。 だって主人公は百回近く詐欺に…

白い衝動 (講談社文庫)

倫理と道徳の話といった印象の作品です。 なぜ人を殺してはいけないのか。 なぜ命を奪ってはいけないのか。 人権とはどのようなときに認められ、どのようなときに奪われるのか。 そんな倫理について様々な視点で語られる今作の主人公はスクールカウンセラー…

私の革ジャンからおっさんの声が聞こえる/くろつ

私の革ジャンからおっさんの声が聞こえる/くろつ(ノベルアップ+掲載作品) タイトル一本釣りとはこのことか。 そう思ってしまうほど、インパクトのあるタイトル。 なんといっても革ジャンからおっさのんの声が聞こえるのですから事件の香りしかしません。 …

【短編】商店街の看板たち/るみね らん

商店街の看板たち/るみね らん(ノベルアップ+掲載作品) 映像で観たい作品、舞台で観たい作品、音声で聴きたい作品、ゲームとしてプレイしたい作品……様々な作品がありますが、今作は「舞台で観たい作品」です。 作者さんの説明文にもある通り、舞台向きと…

それは、自殺五分前からのパワープレー(リンダブックス)

裏カジノを標的にした大胆な計画。 海外ドラマのような勢いとインパクトのある作品です。 集団自殺の為に集まった五人の前に、一人の女性が現れ、人生を逆転させる計画に協力しろと持ちかける。 どうせ死ぬつもりなら、死ぬ前に大胆なことをやってみよう。 …