ROSEの読書感想文

読んだ本とかWeb小説の感想を書くよー

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

時計館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

館シリーズ(文庫版)初の上下巻構成ですが、今回は時計がテーマの館です。 ロマンの塊ですね。 十角館に出てきた江南くんが久々の登場です。すっかり社会人になった彼ですが相変わらず死神に溺愛されているのか巻き込まれ体質ですね。 今回の館は非常に大き…

犯罪社会学者・椥辻霖雨の憂鬱2 十年の孤独 (メディアワークス文庫)

前作を読んだのがだいぶ前になってしまうのですが、一応シリーズ物の二巻目になります。 主人公は犯罪社会学者という少し変わった人物で、非常に理屈っぽいというか蘊蓄をやたらと語りたがる傾向にある男性です。 歳の離れたはとこと探偵とその助手のような…

流行りの詐欺にはご用心/雨宮羽音

流行りの詐欺にはご用心/雨宮羽音(カクヨム掲載作品) 先日酔っ払いスペースで読みながら感想を喋っていた作品です。 出だしのコメディ風の雰囲気が詐欺と言った作品でしょうか。 出だしの雰囲気だけ見るとコメディなんです。 だって主人公は百回近く詐欺に…

どこかの世界の物語/ 一歩

どこかの世界の物語/ 一歩(カクヨム掲載作品) こちらも酔っ払いスペースで感想を喋っていた作品です。 この作品はとても風変わりになります。 カテゴリがもう分類不可。 この作品のために泣く泣く「その他」カテゴリを作るほど分類が難しい作品です。 そし…

猫にまつわる干支せとら/磨糠 羽丹王

猫にまつわる干支せとら/磨糠 羽丹王(カクヨム掲載作品) 酔っ払いスペースで読みながら感想喋っていた作品です。 シーズン的にぴったりな干支に纏わるお話です。 猫が干支に入れなかったのは鼠に騙されたからだという昔話がありますが、それが下敷きになり…

野良竜を拾ったら、女神として覚醒しそうになりました(涙 (レジーナブックス)

無自覚チートな合法幼女が生き物と大人達にちやほやされる(?)話、かな? 宿屋の養子になった元捨て子(?)な主人公は宿で馬の世話をしているのですが、とても動物に懐かれやすい体質なようで子竜を拾ってしまいます。 この子竜、人語を理解する上にとて…

これが最後の異世界トリップ (レジーナブックス)

ベテラン異世界トラベラーな主人公の適応力高めな転移ファンタジーです。 散々異世界転生物が溢れている中で転移は少々珍しくなってきたところでしょうか? が、今作はそれだけではありません。 なんと、主人公は五回目の異世界トリップなのです。 しかも毎…

白い衝動 (講談社文庫)

倫理と道徳の話といった印象の作品です。 なぜ人を殺してはいけないのか。 なぜ命を奪ってはいけないのか。 人権とはどのようなときに認められ、どのようなときに奪われるのか。 そんな倫理について様々な視点で語られる今作の主人公はスクールカウンセラー…

自殺判定士 曽根崎都弦の自殺衝動 (富士見L文庫)

自殺素人なんて表現初めて見たわ。という作品です。 この作品は非常にジャンルが悩ましいところでして、当ブログのカテゴリ分けではキャラ文芸としました。 ミステリと呼ぶには少しオカルト的な印象で、なにより曽根崎のインパクトがとても強いのでキャラク…

転生令嬢の物理無双 (レジーナブックス)

無自覚悪役令嬢(素手格闘) 今作は令和の時代にレディース(すでに絶滅種では?)な主人公が乙女ゲームの悪役令嬢に転生して拳でいろいろ解決する作品です。 悪役令嬢(拳)なんてロマンの塊なんだ。と思うのですが、本人は転生者の自覚はあるけれど乙女ゲ…

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

感想を書く順番が前後してしまいましたが、シリーズ順番通りに読み進めました。 館シリーズ第二弾。主人公は車椅子の男性です。 家主が車椅子生活なのでエレベーターもある、水車付きの立派な館というイメージでしょうか。客室も多い構造なのでとても大きな…

悪の女王の軌跡 (レジーナブックス)

主人公はフェロモン発生装置かなにかですか? なんて乙女ゲームのレビューで見たことがあるようなコメントを口にしてしまうレベルで見事なまでのオート逆ハーレム状態。人を選びそうな作品ですね。 わりと最近しったのですが、レジーナブックスはロゴの部分…

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

ミステリ必読書リストにかなりの頻度で加えられているこちらの作品ですが、タイトルが既に強烈なインパクトです。 事前情報としてかなりグロいと聞いていたのでグロ耐性が低い身としてはドキドキしながら読んでいましたが、内藤了さんの作品などと比較すれば…

軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜 (一迅社ノベルス)

乙女ゲーム系転生物としては少し変わった今作は、主人公はルーインブレイカーズで言うところの転生者/モブといった立ち位置でしょうか。 ただし、モブの割にチート級に強いです。存在チートという印象です。 それもそのはず。彼女はエリート軍人なのですから…

愛と叱咤があり余る (プリズム文庫)

普段あまり読まないジャンルを読もうとBL小説セットを購入した時に入っていた一冊。 BLってBLひとくくりでいいの? って疑問を抱くくらいもう少しカテゴリ分けられそうですね。 こちらの作品は所謂架空のお仕事系、でしょうか。 お客様の愚痴を聞く風俗店で…

EAT 悪魔捜査顧問ティモシー・デイモン (富士見L文庫)

この作者さんはきっと「スーパーナチュラル」とか好きなはず。 真っ先に抱いた感想はそれでした。 タイトルの印象から「クリミナル・マインド」的な雰囲気を期待しつつ推理物かな? と思っていたのですが、わりとがっつり怪物が出てくる系の作品でした。 主…

転生侯爵令嬢奮闘記―わたし、立派にざまぁされてみせます! (レジーナブックス)

肥満キャラはとりあえずダイエットからという風潮は嫌いです。 折角動ける豊満ボディなのにダイエットだなんて勿体ない! 思わずそう思ってしまいましたが主人公は両親までダイエットさせてしまうのです。 異世界転生もののどう見ても悪役令嬢っぽい侯爵令嬢…

人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

館シリーズ第四作。 これだけ読めば作者さんのパターンなんてわかるだろう。 ド派手な死体が出てくるに違いない。 そんな気合いを入れて読み進めて居ましたが、あれ? あれれ??? 150ページ以上読んでも死体が出てこないぞ??? タイトルに「殺人」って付…

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版文庫)

中学生の主人公がタイムスリップして特攻隊員と出会う恋愛小説、でいいのでしょうか? 恋愛小説か青春小説かやや悩むのでブログ内カテゴリは両方入れておきました。 まず戦時中とか特攻隊なんてワードが入っている時点で自分では絶対選ばない本なのですが、…

うちの娘は少しおかしい (ドラゴンノベルス)

少しどころではなくだいたいおかしいお嬢さんが主人公の作品です。 マフィアの一人娘が「制服が可愛い」という理由だけで貴族専門の王立学校に金を積み、脅迫して入学し、そこで友人達とともに成長していく物語です。 この作品、冒頭が漫画形式で非常に驚き…

異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん―森でのんびりさせていただきます(アルファポリス)

まさかの主人公が老女。 まずそこに衝撃を受けます。 こちらの作品はタイトルにあるように「異世界転生」ではなく「異世界召喚」タイプの作品で、主人公はたまたまそれに巻き込まれただけのごくごく普通(にしてはなんだか鈍感が過ぎる気もする)老女です。 …

宮廷書庫長の御意見帳 (富士見L文庫)

カテゴリが少し迷いましたがキャラ文芸に入れました。 一応、お仕事小説、という分類になるのでしょうか? 立場が逆転したような上司と部下のやりとりが楽しい作品です。 書マニアな上司(主人公)と有能すぎる部下(めっちゃ強い)で、上司の方が部下に頭が…

転生ババァは見過ごせない! ~元悪徳女帝の二周目ライフ~ (レジーナブックス)

タイトルインパクトが強い。 老女が少女に転生し無双する話。という印象のタイトルですが、実際はそこまで無双感もないように思えます。 物語の殆どが小さな町一つで終わってしまいます。 悪の女帝だった主人公が神の力で300年後の世界に転生し、前世の強さ…

レベル596の鍛冶見習い(アルファポリス)

中途半端なレベルだなぁ。 タイトルを見た第一印象はそれでした。 最初に断っておくと、ケモミミ系の獣人があまり好きではありません。100%獣か二足歩行獣が好みで、四つ耳は滅びろと思う過激派です。 フリマアプリで詰め合わせになった本を購入するのにハ…

女装して、一年間暮らしてみました。 (サンマーク出版)

女装して初めて見えてくる世界がある。 この作品は一応ノンフィクションということになっているのですが、たぶん脚色がとても多いのではないかなと思います。 しかし、あまりこういう観点で書かれた本がなく、興味深い試みだなと感じました。 なぜ女装するこ…

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)

タイトルは有名なのに読んだことのなかった新本格と呼ばれる推理小説の一作ですが、ミステリ必読書リストの中に入れられることが多い作品です。 これだけ有名だと非常に期待値が高いものになってしまうのですが、冒頭部分が一種の苦行でした。 狂人の手記と…

私の革ジャンからおっさんの声が聞こえる/くろつ

私の革ジャンからおっさんの声が聞こえる/くろつ(ノベルアップ+掲載作品) タイトル一本釣りとはこのことか。 そう思ってしまうほど、インパクトのあるタイトル。 なんといっても革ジャンからおっさのんの声が聞こえるのですから事件の香りしかしません。 …

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

書店員時代に散々単行本を売り、映画化もされた超有名作なのですが、読む機会がなくようやく手に取りました。 全体を通した印象は、文章が綺麗なケータイ小説。といったところです。 病気のヒロインや悲劇的な展開などは古のケータイ小説を連想させます。 カ…

異世界の戦士として国に招かれたけど、断って兵士から始める事にした (ツギクルブックス)

異世界召喚系ファンタジーに見せかけたSFなのではないかと思った今作は、人語を話さないオーク、ブルクトレスが大変魅力的なキャラクターだと感じました。 主人公は異世界から召喚されてしまった高校生。ラノベなどの知識で異世界転生系もすんなり理解出来る…

迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

シリーズ順で言えば水車館の方を先に書くべきなのでしょうが、記憶が新鮮なうちにこちらの感想を書きます。 今作、一番衝撃だったのがカバー折り返しの「本文図版 小野不由美」の文字です。 思わず水車館も確認したらそうなってた……と一番驚いた部分だったの…