ROSEの読書感想文

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EAT 悪魔捜査顧問ティモシー・デイモン (富士見L文庫)

 

 この作者さんはきっと「スーパーナチュラル」とか好きなはず。

 真っ先に抱いた感想はそれでした。

 

 タイトルの印象から「クリミナル・マインド」的な雰囲気を期待しつつ推理物かな? と思っていたのですが、わりとがっつり怪物が出てくる系の作品でした。

 

 主人公はニューヨーク市警急襲部隊に所属していたが、仲間を人間ではない【なにか】に殺され、目撃証言を誰にも信じてもらえなかったところ、FBIに呼び出されます。

 そこで【ニューヨークの人喰い悪魔】と呼ばれた死刑囚と出会うのですが、彼は人間ではない【本物の怪物】で怪物がらみの事件専門の捜査顧問だった。

 

 主人公は人間ではないティモシーの相棒(見張り)として過ごしていくようになるわけですが、この相棒のティモシーという男は人間を食べるタイプの怪物なわけです。

 主人公はそんな彼に嫌悪感を抱きますし、怪物に仲間を殺された身としては同じ怪物括りになる彼に反発してしまう分けですが。

 なんかスパナチュっぽい。

 スパナチュにも人間に協力する怪物とか出てきましたよね? って感じで呼んでいる最中半分くらいスパナチュっぽいと思っていました。

 

 クリミナル・マインドだと思っていたらスーパーナチュラルだったというのが今作一番の感想です。

 

 相棒のティモシーという男はウェンディゴという怪物なのですが、ところどころで自分が怪物であることをネタにした怪物ジョークを飛ばし、主人公を困惑させたり怒らせたりします。

 そう言ったジョークの言い回しなどにも海外ドラマの翻訳のような雰囲気があり、食事風景などもそう言ったドラマを愛しているのだろうなという空気が伝わってくるようでした。

 

 間違いなくこの作者さんは海外ドラマが好きだろうなと思い、字幕派かな? と感じているところです。

 

 見所はジョークの言い回しなどかなとは思うのですが、ストーリーとしては反発していた主人公が相棒を認めていくような過程はまさにバディものといった印象です。

 主人公の相棒にウェンディゴという少し知名度が低くなる怪物を持ってくるチョイスは興味深いなと思いました。