ROSEの読書感想文

読んだ本とかWeb小説の感想を書くよー

講談社文庫

その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

あらゆる可能性を考えすぎな探偵の奇跡を証明したい推理小説。 タイトル一本釣りで購入した一冊です。 借金まみれの個性が強すぎる美形探偵が奇蹟を証明するためにあらゆる可能性を否定していくタイプの推理を披露するのですが、他の人間が奇跡であることを…

殊能将之 未発表短篇集 (講談社文庫)

ハサミ男で惚れ込んだ作者さんの未発表短編集ということで読んでしまうのが勿体ないような気がしながらもあっという間に読み終わってしまった一冊でした。 三つの短編と、ハサミ男受賞後の作者さんの日記で構成された作品ですが、やはり印象的なのは最初の「…

ハサミ男 (講談社文庫)

もっと早く出会いたかった本です。 有名作品なのですが、タイトルがなんとなく好きではなく手が伸びていなかった作品で、ミステリ必読書リストに入っていたので興味を持ち手に取りました。 結論を言うと、タイトルで避けていた過去の自分は愚かでした。 映画…

闇の喇叭 (講談社文庫)

歴史IF的な世界観の作品です。 有名な作家さんですが、読むのはこちらの作品が初になります。 道民として結構不快に感じられた表現が多かったのでいつもよりぼろくそな感想を書く可能性が高いです。 大東亜戦争で原爆を三度落とされたIFな日本で、北海道も奪…

魔王城殺人事件 (講談社文庫)

小学生探偵達が挑むミステリです。 小学生探偵というとどうしてもコナンくんが浮かんでしまい、少年探偵団はもう完全にあのイメージになってしまうのですが、今作の主人公達は小学五年生なのでコナンくんたちよりも年上の高学年少年探偵クラブというところに…

難民探偵 (講談社文庫)

タイトルに探偵って入っているけれどミステリと言うよりはキャラクター小説という印象です。 この作家さん実は初なのですが、登場人物に変な名前をつけるのが好きみたいですね。 まず序章がやたらと長い。序章だけで40ページほどあるのですが、殆どが就職活…

黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)

新年最初の一冊はやっぱり館シリーズでした。 今回はなんだかメルヘンな名前の館だなと思ったのですが、思わず「黒猫ってそっちかい」と口にしてしまいました。 今作は手記と記憶喪失の依頼人とのやりとりが交互に進んでいく構成です。 が、手記の内容が違和…

時計館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

館シリーズ(文庫版)初の上下巻構成ですが、今回は時計がテーマの館です。 ロマンの塊ですね。 十角館に出てきた江南くんが久々の登場です。すっかり社会人になった彼ですが相変わらず死神に溺愛されているのか巻き込まれ体質ですね。 今回の館は非常に大き…

白い衝動 (講談社文庫)

倫理と道徳の話といった印象の作品です。 なぜ人を殺してはいけないのか。 なぜ命を奪ってはいけないのか。 人権とはどのようなときに認められ、どのようなときに奪われるのか。 そんな倫理について様々な視点で語られる今作の主人公はスクールカウンセラー…

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

感想を書く順番が前後してしまいましたが、シリーズ順番通りに読み進めました。 館シリーズ第二弾。主人公は車椅子の男性です。 家主が車椅子生活なのでエレベーターもある、水車付きの立派な館というイメージでしょうか。客室も多い構造なのでとても大きな…

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

ミステリ必読書リストにかなりの頻度で加えられているこちらの作品ですが、タイトルが既に強烈なインパクトです。 事前情報としてかなりグロいと聞いていたのでグロ耐性が低い身としてはドキドキしながら読んでいましたが、内藤了さんの作品などと比較すれば…

人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

館シリーズ第四作。 これだけ読めば作者さんのパターンなんてわかるだろう。 ド派手な死体が出てくるに違いない。 そんな気合いを入れて読み進めて居ましたが、あれ? あれれ??? 150ページ以上読んでも死体が出てこないぞ??? タイトルに「殺人」って付…

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)

タイトルは有名なのに読んだことのなかった新本格と呼ばれる推理小説の一作ですが、ミステリ必読書リストの中に入れられることが多い作品です。 これだけ有名だと非常に期待値が高いものになってしまうのですが、冒頭部分が一種の苦行でした。 狂人の手記と…

迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

シリーズ順で言えば水車館の方を先に書くべきなのでしょうが、記憶が新鮮なうちにこちらの感想を書きます。 今作、一番衝撃だったのがカバー折り返しの「本文図版 小野不由美」の文字です。 思わず水車館も確認したらそうなってた……と一番驚いた部分だったの…

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

数年前から「後味の悪い話」として薦められていたのですが、読む機会がなく、書店の推理小説特集で平積みになっていたのを見つけ、ようやく手に取ったこの作品は古い翻訳小説のような印象でした。 先に断っておくとこの感想を書いている人間は翻訳小説を読む…