氷菓 (角川文庫)
アニメ化もされた有名作……らしいのですが今回初めて読みました。
省エネ系男子高生が主人公の所謂天才探偵(探偵は全てを知っている)タイプの作品かと思います。
姉の厳命により古典部を維持するため古典部に入部した主人公がヒロインと関わることにより省エネながらもなんとなく謎解きをしてしまう人の死なないミステリ……に鳴るのですが、省エネのくせに主人公は超有能探偵ですね。
助手ポジション(?)の他部員達がなにも把握出来ていない状況でひとり全てを知っているような空気を醸し出しつつ、少しもったいぶって謎解きをしてします。
本人は探偵役をする気はないのに、探偵の宿命を背負ってしまったようなそんな主人公です。
舞台は高校であり、謎も古典部に纏わることばかりになってくるので血なまぐささは一切無し、それどころか謎解き重視という気もさせずに青春風景を切り取った青春小説のような印象さえ受けます。
なので当ブログのカテゴリはミステリではなく青春に分類しました。
世界各地を飛び回って手紙ひとつで主人公を従わせられる姉は何者かというのが最大の謎のような気がしました。
こちらは【古典部】シリーズということで、シリーズ作品のようですが、続刊もこのテンションで続くのであれば続刊には手を伸ばさないかなというのが正直な感想です。
楽しめたと言えば楽しめた作品で、文章も読みやすかったのですが事件自体が日常の一部という印象であまり強弱の波がないというか、刺激的とは言い難い作品なので、手元にあれば読むけれどあえて自分から続きを探してまで読むかと言うと微妙な作品で、知人に手渡され「読んでみて」と言われたら「面白かったよ」と答えるだろうけれど、その後に積極的に他の人に「これ読んで」と言うほど強く推す要素もないけれど、あえてここが嫌いと言うほど嫌いな作品でもないというとても表現に困るポジションですね。
強いて言うなら【古典部】なのに古典要素がないことくらいですかね。
そもそも古典部ってなにする部活なの? という疑問が解決されていない気がします。
噂によるとアニメの方はもう少しドラマチックとの事ですが、アニメにまで手を出すかと言われるとそこも微妙です。