ヘルハウンド2 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹 (メディアワークス文庫)
葬儀場は見合い会場じゃねーよ!
と思わず叫びたくなるほど相変わらずの変態主人公なシリーズ二作目です。
続刊出てないので打ち切りなのかな? という印象でした。
今作はでコスプレイベントでの殺人事件をSNSを活用しつつ解決したり、新たな事件に繋がったりするわけですが、やはりメインは取り調べという感じですね。
新キャラとして刑事が出てくるのですが、主人公がどちらかというと検察側で行動していることもあり刑事に対して初めから嫌な印象を与えてきます。
それも、幼馴染みの上司が可愛く見えるレベルで。
前作で気まずくなっていそうだった幼馴染みパパとちゃっかり一緒に行動していたり、なんだったらもっと苦手そうな後妻さんまで活躍したりと前作読んでからそんなに時間が経っていないはずなのに「なんじゃこりゃ」状態になるような部分もあるのですが、幼馴染みの過去は前巻で深掘りしたので今回は主人公の過去に迫っていきましょうという感じなのでしょう。
何もかも知っていそうで主人公の弱味握っていますよな空気を醸し出している刑事にいい印象は受けないのですが、だからといって言いなりになりそうな主人公もなんか嫌な感じですね。
刑事が民間人のストーカーしている暇があるのかという疑問も生じます。
心理学を活用し相手から情報を引き出すというのがメインテーマの話ではあるのですが、前巻での対詐欺師戦ほど盛り上がる場面はなく、喪服レンタル費用を気にして収入を増やそうとする主人公の人間らしい(?)描写など細かいところの方が印象に残ります。
特に葬儀場に「見合いだ」と入り込もうとする話なんて会話の中で一瞬出てきただけなのに本編よりもインパクトがあります。
主人公を初めとして周囲のキャラクターが濃すぎ、ストーリーが敗北してしまっている印象を受けました。
死体に興奮する変態主人公は初回はインパクトありますが、回を重ねてそこばかり目立ってしまうのは残念だなと感じました。
今回は途中で飽きるという事態が発生し読むのに時間がかかってしまった一冊でした。