ROSEの読書感想文

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優等生は探偵に向かない (創元推理文庫)

  三部作の第二弾です。

 前作で真相に辿り着き有名人になった主人公が友人の兄失踪事件の捜査をすることになります。

 

 今作でもインタビュー中心の捜査なのですが、主人公が有名人になったのでインターネット配信で捜査状況を公開しながら情報収集していくスタイルになり、事件を一種のエンタメのように扱っているように感じられました。
 前作のパートナーが今回もパートナーとして活躍するのですが、主人公の独善的な部分が強化され、パートナーがストッパーになりきれていないように感じられます。

 

 作中でも語られていますが、成人、特に男性の失踪について警察が中々捜査にでてくれないというのはよくある話のようで、失踪者を捜すドラマなどもありますね。

 今回は主人公の友人の兄ということで、主人公も断る理由を探しきれずに捜査開始、というところでした。

 他人の秘密をずかずか暴きに行く割に自分が攻撃されると脆い主人公ですがやっぱり独善的な部分が強く、法よりも自分の善悪が優先という様子で今回は完全に犯罪行為に走ってしまいました。

 ここで受け入れられなければ続巻へ進むべきではないというところなのですが、ラストが衝撃的過ぎたので手を伸ばしてしまいました。

 

 一冊当たりがかなりの厚さで一冊の中で複数の事件が起こっているので人間関係がかなりごちゃごちゃして特に外国人の名前が覚えられないタイプだと苦戦しますが、巻頭に登場人物一覧があるのでなんとか把握出来ました。

 

 それにしても、SoundCloudの再生ボタン風資料が挿入されているのは本当に面白いなと思いました。自分の知っているサービスなどが登場するとやはり作品にリアルを感じられるような気がします。

 そして、小さな町なのに事件起きすぎで治安が悪い世界だなと思いました。

 それにしても、原作者は相当司法に恨みでもありそうな描写が多い作品ですね。