ROSEの読書感想文

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「死んでみろ」と言われたので死にました。 (角川ビーンズ文庫)

 「死んでみろ」→「死んでやる」からの死に戻りテンプレ作品です。
 
 死に戻りで過去改変して家族を守りたい主人公の逆ハ展開で決着は??? という感じなので続くのかな? と思わせるエンディング含めてうーん……。
 
 まず夫が妻の話を全く聞かずに虐げているとんでもない男です。息子の教育すらまともに出来ない男なのです。
 それが、死に戻った先で唐突に主人公を護るヒーローみたいなポジションに。
 え? なにこれ??? 
 に、なりますよね。
 
 主人公は死ぬはずの第二王子を救ったところ彼にアプローチされるのですが、まあ、ここは命の恩人だから……というので理解はしますが、死に戻り前の夫に揺らぐ主人公が理解出来ない……。
 
 え? これ普通に王子選んだ方がよくない? 状況的に。
 戻り先時点で生まれていない息子に対して未練があるから? でも息子あんたの夫のせいでひどいことなってますよ?
 と、いろいろ突っ込みたい。
 
 展開的にテンプレなんだけど「許さない」と言いつつ元夫に絆されてるのは相当未練があるということなのかな?
 演歌的なドロドロ感がありますね。
 
 今作間違いなく一番の被害者は息子なんですよね。祖母の勝手でまともな教育受けられずに母との対話が出来なかった上に父親がアレですし。
 
 そして、全体的にキャラが薄い中一番キャラ立ちしていたのが主人公の父親という。
 なんですかね。残念イケメンパパがシリアスクラッシャーなんですが、そもそもこの作品がシリアスになりきれていないのでもっとあのパパみたいにギャグテンション寄りの方がよかったかもしれませんね。
 
 タイトルインパクトがクライマックスという印象で、死に戻り系のすがすがしさも感じられず、どこか残念に感じられてしまう作品でした。
 
 いっそ残念イケメンパパが主人公の作品を読みたいです。