ROSEの読書感想文

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転生少女は自由に生きる。 (レジーナブックス)

 類い希なる良い子ちゃん主人公。
 
 この作品は主人公に好感が持てるかが楽しめるかどうかのポイントになりそうです。
 ストーリー自体はわりと悪役令嬢物でよくあるテンプレートというか、本来のヒロインが「悪役」になり悪役令嬢ポジションの主人公が「善」の側に立つ構成ですね。
 興味深いのは主人公の他に複数人転生者が居る世界ということでしょうか。
 主人公、ヒロイン、主人公の友人、そしてその他にも転生者が居ます。転生者がたくさんで賑やかですが、主人公は攻略対象である弟、そしてライバル枠である妹を溺愛する超絶シスコン&ブラコン姉で超絶鈍感。そして呆れるほどのお人好しキャラです。
 
 自分の居る世界をゲームではなく現実と受け止め、楽しく平和に生きようと努力するスタイルなのは良いのですが全体的に騒がしい印象でした。
 挿絵や表紙を見るともう少し強気そうな印象の主人公ですが、どちらかというとやや受け身のただのお人好しという印象です。
 ストーリーはわりと王道(?)だと思うので単純に主人公の性格を好きになれるかどうかが好みのポイントだと思います。
 姉弟仲良くべったりなのもまた好みが分かれそうなポイントにはなりますがこういった作品ではよくある描写に思えました。
 
 ヒロインがややアレ過ぎるかなと感じたのですが、理由が解明されるとまあ納得は出来ますが、そうなってくると、この主人公達、随分とレトロゲームに転生したのかしら? という発想になりました(いまでいうPS2とかそのあたりのゲームかしら?)
 よくある悪役令嬢物と比べるともう少し学園要素が強いというか、中世よりは近代風の舞台なのかな? だとか乙女ゲームあるあるない世界なのにたこ焼きが存在する世界的なよくわからない舞台なのは面白いと思いました。
 
 要は主人公に対する好感度次第といった印象の一冊でした。