ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン (角川スニーカー文庫)
時給で働いている時点でニートではないのでタイトル矛盾ですね。
ラノベまとめ売りセットから発掘した一冊ですが、フルプライスで購入しなくても読んだ時間を返してほしいとすら感じました。
それはさておき、この作品本当にスピンオフとかそういう類いではないのでしょうか? といいたくなってしまう程の唐突展開です。
過去を回想するシーンから始まるのはよいのですが、年頃の女の子を拾う展開、しかもその女の子が恥じらいもなにもないようなタイプというのが妙に引っかかります。
なにより、不親切設計。
MMOというゲームジャンルの知識がなければ掴みにくいのにゲームシナリオ、世界の設定を語る半分もゲームシステム説明がないのでおいてけぼりになってしまいます。
タイトル通りヒロインにゲームのレベル上げバイトをさせるシーンがあるのですが、そこもヒロインがやっていることがどうしてダメなのかの説明がゲーム知識がないと理解出来なさそうな雰囲気です。そしてタイトルの時給は時給が下がった結果でした。
そして唐突なハーレム。
大家さんの娘はなぜ主人公のストーカーをしているのか不明。そして主人公はそれを日常として受け入れているのです。
ホントにスピンオフとかじゃないの?
普段はあまり突っ込まないけれど、簡単な単語までひらがな表記になっていたりして所々読みにくい印象の文章です。
なんというか……頑張って褒めるポイントを探そうと思っても見つかりませんでした。
エリートサラリーマンでゲーム廃人の主人公にも好感を持てるポイントが見つからず、クールぶってる俺かっこいい的な態度が痛々しく感じます。これで突っ切ってギャグ全開コースならまだ救いがあったのかもしれませんが、メインヒロインに謎なシリアスっぽい設定を付与してしまい救いすら消え去りました。
全体的になにをしたいかすらわからず、どこをどう楽しめばよいのかすら理解できませんでした。
今年どころか今まで読んだ本のなかでもワーストクラスだったのでインパクトだけはあった一冊です。