ROSEの読書感想文

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リリーフ令嬢、心配ご無用 (エンジェライト文庫)

 勢いでごり押ししていくタイプの憑依転生コメディ。
 
 Amazonの読み放題で読みました。
 
 精神的なショックが強すぎると人格が消滅して別の人格が憑依するというある意味恐ろしい世界が舞台で、主人公はやたらとギャグ力の強い人物です。
 
 シリアスなにそれおいしいの? というレベルでこれでもかとギャグをたたみかけてくる、コロコロコミックのギャグ漫画くらいギャグシーンてんこ盛りなので突っ込みが追いつかないのは当然のこと、なにも深く考えずに頭空っぽにして読むのがよさそうな作品です。
 
 注目するべきは主人公の柔軟な(過剰ギャグ寄りな)魔法を生み出す能力といかなる時もボケる精神でしょうか。
 主人公の肉体の持ち主にストーカー行為をされていたはずの王子が突っ込みに回り続けるボケっぱなし。強い。
 敵対する相手の名前をわざとなのか下品な感じにボケまくって王子がはしたないと口を押さえて物理的に黙らせる流れが多いのですが、それ以外にも物理的に黙らせることが多く、昭和の漫画チックな表現だなと感じました。
 
 一応恋愛パートもあるのですが、え? なんでこの二人くっついたの? と疑問を抱いてしまいましたが、ギャグだから許されてしまう気がします。
 
 主人公は憑依した時点で前世の記憶がぼやけていて、肉体の持ち主の記憶は持っていないタイプの作品ですが、周囲が揃いも揃って元人格が消滅してよかったと大喜びしてしまっているのはなんだか前の持ち主が可哀想になってしまいますね。
 
 全体的にギャグ漫画をそのままテキスト化したような勢いで押し切っていくタイプのコメディでした。このギャグ傾向が楽しめる人は間違いなくお腹を抱えて笑えるでしょう。
 筋肉ゴリ押しネタが好きなのかマッチョ魔法でしばらくツボりました。
 
 なんと、続刊があるそう……。
 続刊もこのテンションなのだろうか?
 ここからどう続けるかも気になるのですが、このテンションに耐えられるか少し時間をおいて挑みたいです。