ROSEの読書感想文

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LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花 (角川ホラー文庫)

 この作家さんが本当に読みやすくて好きで、死体の描写とかが特に好きな作家さんなのですが、角川ホラー文庫にしてはホラーよりサスペンスとかミステリ要素が強いのかな? と思っていた作家さんでした。
 
 が。
 
 今回はがっつしホラー入ってた気がします。
 
 主人公が元刑事、現在は潜入捜査専門のバツイチ子持ちな女性で、隠れ離婚して元夫と同居を続けているという凄く特殊な環境の女性です。
 そしてグミが大好物でいろんな味のグミをケースに入れて持ち歩き、グミがないと不安になるグミジャンキーです。
 
 今回は本当にグミがよく出てくる。グミがなくなりそうだからコンビニを探すとか、感情とマッチする味が見つからないとか。
 娘には虫歯になるからダメと言いつつママは常にグミを食べている。そんな印象です。
 
 さて、肝心の事件ですが、焼身自殺のあった現場から等身大の花嫁人形が発見されたという流れで、人形の調査をする研究員という形で潜入しますが、等身大の人形が発見されて、現場に行くことになる時点で予測は付きます。
 きっと人間だろうな。
 作家さん的にも予想がつきます。
 人体加工して作られたんだろうな。
 
 その辺りは中盤までに分かることなのですが、それを誰が何の目的でやったのかと言うところがポイントですね。
 
 そして舞台が青森なので凄く訛りが出てきます。
 不思議なことに、テキストで読むと意外と分かりますね。というのが道産子感想です。まあ、祖母が函館訛りなので訛りが近いのもあるのかも知れませんが、わりと読みやすい訛りでした。
 
 民俗学的な知識がたくさん出てきますが、かなり噛み砕かれた説明で読みやすかったです。
 主人公は相変わらず仕事より家庭を優先させると言いつつ男社会の刑事育ちの為、男性の前で見せたくないみたいな舐められたくない的な感情が強く、娘の音楽発表会に無事に行けるのか的な、事件よりもそちらが主題なのではないかというほど主人公のそう言った感情が描かれていました。
 
 この娘がどう育っていくのか、隠れ離婚はいつ義母にバレるのかなど、事件以外の部分で今後を注目したいシリーズだなと思ったのですが、次回予告は藤堂比奈子のスピンオフでしたね。清花ちゃんの続編にも期待です。
 
 本当に何読んでも外れはないかなと思っている作家さんなので現在の「推し」作家さんです。
 次巻も楽しみにしています。